2009年10月31日土曜日

陰陽


物事には表と裏、陽と陰がある。太陽があり、月がある。男があり女がある。人間の考え方については、安岡正篤先生もいうように「陽の働きたる功名心、金・位・権力・事業なども良い。だが、それと同時に陰の働きたる隠逸心・内省心が発現しうまく調和して、しかも大きく我々に抱擁されればされるほど、その人は大なる人物になってゆく。もし功名心のみならば無秩序と破壊であり、隠逸のみならば社会が少しも発展しない。普通の人間は一見相矛盾するがごとき二つの魂を統一して大きく抱擁することができずに、そのいずれかに軽々しく偏して、意気地のない、あるいは杜撰な生活をしているものである。」

易経でいう太極とは万物の根源であり、ここから陰陽の二元が生じる。根源はそもそも一つでバランスも取れているものなので、一極が突出し続けるということができない。ゆっくりと、ゆっくりと。陰徳を積み続けていこう。


東京:中央区新川(2009年10月)

2009年10月25日日曜日

既視


エドガーケイシーのリーディングは、睡眠状態において第三者からの質問に、アカシックレコード(アカシャ記録)といわれる宇宙意識から宇宙の知識を引き出すことにある。大きな図書館のような場所に、必要とされる知識が整然と格納されており、それに基づいて、個人の神経の状態や各臓器や体の状態を透視し、問題の改善や治療法を口述する。

余談だが、Googleは、全世界に散在する文書・地図・画像等の情報を統合し、それを検索できるようにするという点において、地球上のアカシックレコードの作成にいそしんでいるともいえる。ただ、このような「検索」という作業については「能動的」にならざるを得ないのだが、時々私たちが感じる既視感は、そのような検索機能が「受動的」に開いて、無意識にそのような宇宙意識の中のある場面に遭遇していると考えられる。
東京:千代田区外神田秋葉原UDX(2009年10月)

2009年10月22日木曜日

残影


ただ、歩いている。足元を見ている。風を感じている。角を曲がる。秋の日差しを受ける。昨日の自分を追っている。そこで立ち止まり、振り向いた。自分の残影に出会い、永遠の隘路で溜息をついた。

東京:中央区新川日本IBM本社横(2009年10月)

2009年10月18日日曜日

寛容

 あることを「偶然」だとか「必然」だとかその時々時で感じることがある。これは、人の価値判断の中での「こうあるべき」や「こうあって欲しい」ということがまず先にあって、それを自分の都合でどちらかに寄せて理解し、結果としてそれをそのように理解することだと思う。でも、「偶然」も「必然」も所詮は人間の判断を横に置いてみると、大きな節理の中では何ら区別もない「出来事」にすぎない。


都会に住んで忙しい時間を過ごしていると、自然のリズムから離れ、「個」とか「自我」が立ちすぎて、判断が狭く小さくなってしまうことも多い。「偶然」か「必然」かという判断さえできずに、頑迷の中に陥ってしまう。公園で「子供の声がうるさいので静かにしろ」とか、学校の周りで「合唱コンクールの練習の声がうるさい」とか寛容の少なさが気にかかる。ゆっくりと、ゆっくりと。「偶然」と「必然」の織りなす綾を楽しみましょう。
東京:立川市国営昭和記念公園(2009年10月)


2009年10月12日月曜日

散歩


散歩しながら、「来し方」の掘り起こし、「行く末」への慮りをつらつらと行う。秋の風は、そこはかとなく涼しげでもあるが、小一時間も歩けば汗ばむ程の好天でもある。
夢か現か、頼りのない人生。邯鄲の夢とすると、夢からはどの場面で醒めるのか。ふと路傍の石に目をやると、それはかなり立派な自己主張のある路傍の石。「念ずれば花ひらく」とのこと。まだまだ夢の中で念ずることを求められているということか。嗚呼、人生は川の流れのごとし。泡沫(うたかた)のそれも浮きかつ沈みして休まることなく、その仕組みの中で矍鑠として醒めることなし。
神奈川:横浜市青葉区路傍の石(2009年10月)

2009年10月11日日曜日

引力


わかりやすく言うと、私たち地球上の生物は地球とともに生きているので、根幹の生存の仕組みは「引力」に左右されている。宇宙空間で蝋燭に火をともしてもあの美しい炎は生じず、空気の対流がないため、青い丸い小さな炎というか明かりが発現するという。
すべての行為や動きは引力によって制御されており、精子が卵子と結合し受精するプロセスにおいても、無重力では本来の優勝劣敗の適者生存の機能が作用しない可能性がある。

青い空、セレブレーションの風船がその青い空に消えていく。おめでとう、若い人たち。私たちは皆、地球とともに生かされているんだね。引力とともに大地に足をつけて、また明日も生きていこう。





神奈川:パルティーレ横浜ウェディングビレッジ(2009年10月)

2009年10月4日日曜日

変化②

時を経てはじめて、気がつく変化がある。日本も長期に停滞し、新たに時代を担う若い世代にもビジョンが提示できない中で、「貧困と格差」「二極化」現象など、結果の一面があげつらわれているが、根本的な変化の源泉を見つめなければその本質を見失うことになる。

今後の時代を世界とともにどう作っていくか。社会の安心と安定、夢と希望に満ちた将来への道筋、変化がポジティブサイドにシフトしていっているという実感と「思い込み」。

こういったものを一つずつ共有としていく仕組みを意識を高くもって構築していく必要があろう。簡単なことから始めることでいい。それぞれの立場でできることを考え積み重ねていく。政治・公的機関の役割も重要だが、私たち自身もそうした変化を作りだすように、日々の挨拶、礼節、思いやりをもった行動とともに実践していくしかない。
東京:東京女子大学(2009年9月)