2010年3月7日日曜日

パラダイム・シフト

 釈迦は「シンサパーの葉」を数枚手にとって、世の中にはこの森全体の葉の数よりも多い葉があるが、我々が知っていることはこれだけである、と言って数枚の葉を見せた。現代ではケン・ウィルバーはホロンの階層には上にも下にも無限に続いていると言っている。時間は「始まりが無く、終りも無い」あるのは「今」だけで、過去も未来も永遠なのです。
 これから起きるであろう巨大なパラダイム・シフトは、古いパラダイムを否定せず、そのまま認め、従来のパラダイムを包含しながら、それとは全く異なる別世界に新しい枠組みを構成する形で出てきている。そのため革命の必要もなく、古いパラダイムを否定する必要もない。従って戦争、流血騒ぎを起こす必要はない。しかし、心なき人達は流血を起こしたがる。また、古いパラダイムの人は新しいパラダイムを恐れて、自己防衛のため、戦争をしかけてくる場合も考えられる。

 なぜこのような巨大なパラダイム・シフトが進行するのか。その理由は人間が進化・変容しているからである。人間の精神的構造が変わり、今とは異なる精神を持ち、考え方の違う人間が多数を占めるようになるはずである。どのように進化するのか、その分析は、今の学問体系ではトランスパーソナル心理学という分野に展開されている。その代表格の論客がケン・ウィルバーである。
 マズローは、人間性心理学を創設し、欲求5段階説を唱えた。生理的欲求から、最高の自己実現の上に自己超越欲求を加えた。ケン・ウィルバーは「アートマン・プロジェクト」で、人間の精神的成長の過程を分析した。そして、自己超越をしたレベル、即ちトランスパーソナルのレベルの最終にアートマンを据えた。人間の一生は自己超越を達成し、最終目標のアートマンを目指して進むことにあると解釈できる。これからの世界はトランスパーソナルのレベルに到達する人間が植えるということで、そうすればパラダイムは完全に変わってくる。これが巨大なパラダイム・シフトである。

 巨大なパラダイム・シフトの時代には、常に、反逆者、犯罪人、異常者等が多発し、それが目につく現象となる。しかし、世の中の趨勢はそれらの厄介者を背負い込みながら、深く、静かに、確実にパラダイム・シフトを進行させている。 

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